「花野」を守るため、私たちにできることから。
NPO法人阿蘇花野協会では、ボランティア会員によって構成されており、それぞれができる範囲でさまざまな活動に参加しています。活動資金は会費や寄付、民間企業の助成金、公的機関の補助金などによってまかなわれており、活動はほぼ1年を通して行われます。ここでは主なものをご紹介していますが、これらのほかにも、行政機関の依頼による各種調査事業、事務局運営や助成金の申請などの事務作業があります。
野焼き(3月)
放置しておくと草原はススキや低木に埋め尽くされ、他の植物の発育を妨げてしまいます。そのため、阿蘇では昔から野焼きによって新たな芽生えを促進する慣習がありました。阿蘇花野協会では管理地の野焼きを行い、草原生態系の保全をしています。

春・野の花観察会(4月)
野焼きで真っ黒になった草原は、1ヶ月ほどすると、新緑のじゅうたんへと生まれ変わります。阿蘇のもっとも美しい季節です。サクラソウ、ミチノクフクジュソウ、キスミレ、ヒトリシズカなどが見られます。
夏・野の花観察会(7月)
夏の草原は豊かに成長し、人の背丈を超えるほどに繁茂します。花々の色彩も強く、濃く、緑の草原に咲き誇ります。ヒメユリ、ツクシマツモト、ハンカイソウ、ハナウド、シシウドなどが見られます。

秋・野の花観察会(9月)
9月になると、阿蘇の草原は冬に向けて、その装いを急速に変化させていきます。ススキの背が伸び、枯れた色を広げる中、秋の花々が美しく彩ります。オミナエシ、ワレモコウ、タチフウロなどが見られます。
草刈り・草集め、防火帯づくり(10月)
翌年3月の野焼きに備え、野焼き予定地の周囲に防火帯をつくります。周囲の森林や畑に延焼しないよう、幅20mの草刈り作業を行います。
野焼きを行わないトラスト地については、草刈り・草集めを行い、春の新芽が成長しやすい環境をつくります。
これらの草刈りで集めたススキは茅葺屋根の材料として、野草は畜産農家の飼料などとして活用されます。